ChatGPTで学生の振り返りを分析ーげんきL3を終えて課題とその解決法ー

ChatGPTと日本語教師
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みなさん、こんにちは。日本語講師のHinakoです。

みなさんは、学生さんに振り返りの記録を取らせていますか。私は3年ほど前から、Reflection Formと言って、「振り返りのフォーム」を1課が終わるごとに提出させています。1回あたり出せば、0.5%もらえて、英語で書いてもらっています。

今回の振り返りの記録は「げんき1」の教科書のLesson3が終わった時に書いてもらったコメントをChatGPTに分析してもらったのでシェアします。学生数は2クラスで60名ほどです。質問は色々ありますが、とりわけ1)Lesson3を終えて、学生さんたちがどんな課題を抱えているのか、2)また自分でその課題をどう克服すればいいか という2つの質問の分析です。私は困っているならまず自分でどうすればいいか考えてほしいと言っています。というのも、私たちがアドバイスをする前に、学生さんは自分の学習を振り返って、クラスメートに相談したり、改善の仕方がわかっている場合が多いからです。私もこの分析を見て、どう対応しているかも記録していきます。

この記事で、学生さんをどうサポートすればいいかわからないという先生の参考になれば嬉しいです。

共通の課題:

1. 新しい文法と語彙: 多くの学生が新しく導入された文法や語彙に苦戦していました。彼らは学習を強化するために追加の演習、オンラインリソース、練習問題が重要だと認識しています.

Lesson3からは動詞の活用が入ってくるので文法につまづいている学生さんがいますよね。Jamboardなどを使って実際に動詞の種類分けをして、じっくりゆっくり練習していくようにしています。

2. 読み書き: 複数の学生が、特にひらがな、カタカナ、漢字を組み合わせた文章を読むことが難しかったと述べています。漢字の書き方も特に難しいとされ、一貫した練習が必要だと指摘されました。

Lesson3からは漢字が導入されます。ひらがなカタカナをやっと覚えたばかりなのに漢字が間髪入れずに導入されるので、ひらがなカタカナ漢字の全部混ざっている文をみると戸惑う学生さんもいます。漢字もまずは漢字を見て意味を理解、それから読みの練習、それから書いてみると段階を踏んで教えるのもいいと思います。

3. 会話: 流暢に話すことや、一時停止なしで話すことが難しいと感じる学生が多かったです。一部の学生は大きな文を組み立てることや正しい語順を維持することに苦労していました。

Lesson3からは曜日、時間、場所などの語順に混乱する学生さんも多いです。正直語順にこだわると文を作るのにすんごい時間がかかってしまいます。まずは主語が最初で動詞が最後という決まりを忘れないでとアドバイスをしています。

4. 動詞の活用: 多くの学生にとって、特に異なる助詞とともに動詞の活用は難しいとされています。最初は混乱したが、実践と例を見ることで理解が深まったという声もあります。

動詞の活用の練習は最初は難しいし、単純になってしまいます。だから、実用的な動詞を1つ選んで、それをまずは繰り返す練習をさせています。

例えば「友だちに飲み物を勧めるから聞いてみる」
A:「お茶をのみますか」B: 「はい、のみます」「いいえ、のみません」

5. 時間管理: 日本語の勉強を他の授業や課題とのバランスを取ることが難しいと感じる学生がいます。特定の学習時間をスケジュールに組み込んで、先延ばしを避ける必要があると認識しています。

ちょうど学期も半分過ぎたのですが、この時期は他のクラスの中間試験や大きな課題に追われる学生さんが多いです。毎日日本語を勉強する時間を決めて取り組むように伝えています。

6. 記憶力: 語彙、動詞形、漢字、文の構造の記憶は一貫して難しいとされています。学生は、記憶力を向上させるためにフラッシュカード、Memriseなどのオンラインプラットフォーム、反復練習などさまざまな方法を用いています。

「げんき」の教科書は文型シラバスですから、語彙が1課につき50ぐらいあり、かなり苦しんでいます。Memriesでグループを作り競わせるなどして語彙練習に取り組んでもらっています。

7. リスニングスキル: 速いスピーチを理解し、リスニングスキルを向上させることが課題とされました。一部の学生はアプリやオンラインリソースを使用してリスニング能力を向上させる方法を採用しています。

語彙も文も増えたので、リスニングが速いと感じるようです。ダイアローグの練習もオーディオと同じ速さで一緒に練習する、パラレルリーディングを取り入れて、早いスピードになれてもらってます。

8. 文の構造: 文の構造、特に助詞の使用と全体的な文の形成が難しいと感じる学生がいました。学生は理解を深めるために練習と反復、例に触れることの重要性を強調しました。

助詞が難しいと感じる学生さんは多いですね。特に場所の「に」と「で」の混乱が多いですが、練習問題をさせる時に、どうして「に」を使うのかどうして「で」を使うのかペアで理由を話させるのも効果的だと思いました。

戦略と解決策:

ここからは学生さんが自分の課題に向き合い、どう解決していくかその方法を考えてもらったものの分析になります。一貫した練習の大切さや時間管理のためのリマインダーの使用など、学生さんたちなりの課題への解決策が伺えます。Duolingoなどは元々練習している学生さんも多く、教科書以外のマテリアルを使って自分で勉強してる子もいるみたいです。

  1. 自己学習: 多くの学生は、授業外での学習を補完するためにオンラインリソース、練習問題、ビデオなどを積極的に活用しています。
  2. 一貫した練習: ワークブック、教科書、オンラインプラットフォームなどを使った一貫した練習が強調されました。毎日の練習、話す練習、書く練習の重要性が認識されています。
  3. テクノロジーの活用: いくつかの学生は、Memriseなどの言語学習アプリやDuolingoなどのプラットフォームを使用して、学習を補完し、特定のスキルを向上させることに成功しています。
  4. 多感覚学習: 読み書き、聞き取り、話すといった様々な技法を使って、学習体験と記憶の定着を図っています。
  5. 時間管理と組織: 学生は、時間管理の改善、特定の学習時間のスケジュール化、リマインダーやカレンダーの使用によって、課題と時間をうまく管理する必要性を理解しています。
  6. ネイティブスピーカーとの接触: 一部の学生は、ネイティブスピーカーとの接触を通じてスピーキングとリスニングスキルを向上させるために、ビデオや聞き取り練習を活用しています。

結論:

最後にChatGPTではコメントのまとめとして、下記のように説明してくれました。先生が学生の全部のコメントに目を通すのはとても大変ですよね。ChatGPTに要点をまとめてもらえれば、早く対策に取り掛かれるのでいいなと思いました。

読んでいただき、ありがとうございました。

学生のコメントは、彼らが日本語を学ぶ過程で直面するさまざまな課題を反映していますが、それらに対する適応力やリソースの活用力、日常的な練習に対する献身性も示しています。彼らの積極的な姿勢、多様な学習手法の使用、一貫した練習への意欲が、日本語をマスターするための彼らの取り組みの鍵となっています。

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