みなさん、こんにちは。日本語講師のHinakoです。第3章からは、中級の学習者が対象のGenius Hour Project 2023の話になります。今回は、トピック決めと全体の流れのスケジュールをシェアしたいと思います。
プロジェクトのコンセプトはこちらの記事で紹介させていただきました。まだ読んでいない方は是非こちらから読んでいただくと今回の内容がわかると思います。
中級プロジェクトの流れ〜6つのステップ〜
トピックをきめる
初級後半のクラスでは、どんなトピックに興味があるか、Mentimeter.comでクラスでブレインストーミングをしてみましたが、中級になるとその必要はありませんでした。日本語学習経験を何年もしてきているので、自分が何に興味があるか大体わかっている学生さんが多かったためです。またトピックのヒントになるように3つほどシェアしたのがよかったと思います。
トピック選びをさせる際、1)サンプルで全体を見せて、2)リソースを与えることで、プロセスを想像させ、3)先輩からのビデオでプロジェクトの意味や目的を明確にさせることがポイントです!
- 過去の学生さんの作品のサンプル (最終的な形が見えた)
- リソースのシェア (どんなリソースを参考にすればいいかわかった)
- 先輩からの声(ビデオ)(プロジェクトの意味、目的などが明確になった)
初級と同様、アニメ、マンガ、旅行、食べ物あたりの興味は同じでした。
中級のクラスでは「まるごと中級」を使っているので、その中のトピック武道を選んでいて、クラスで習ったことをプロジェクトとに生かそうとしていた学生さんもいました。
教科書をより深く学びたい、関連付けたいと思う学生もいて、新たに武道やスポーツというトピックを選ぶ学生もいました。
計画表の提出
中級にもなると、計画表を日本語で書いてくる学生さんも多かったです。中級のテンプレートはこちらからダウンロードできます。
プロジェクト計画は柔軟性がポイント!
このプロジェクト、自律学習での学習プロセスや締め切りがポイントとなってきます。過去のプロジェクトでも書きましたが、「自分で締め切りを決めて、自分で予定を立てることができるか、計画を実行できるか、自分で軌道修正ができるか」というのが本当のプロジェクトのキーになります。」
過去2年のプロジェクトは計画表の段階で、とりあえず出させた問題がある学生さんとだけ話しました。しかし、中級プロジェクトは計画表を学生さんと一緒にみる時間を設けました。と言っても簡単に計画を表をみながら話してもらうだけです。私からのその際のアドバイスは下記の通り。
- 計画に無理がないか
- 計画通り行かなくても調整してもいいこと
- 計画を途中で変更することも可能であること
計画通り進めるのなんて、社会人になっても本当に難しい。ここで、柔軟性をうまく身につけてもらいたいと思います。
まとめ
トピックを決める際は、必ず3つのマテリアルをシェアすること、過去のサンプルを見て、ゴールや完成図が学生さんの頭の中で、描きやすくなります。また、あらかじめ集めたリソースを与えることで、リソースを持っていない学生でも、プロジェクトを進める上でのヒントになります。また、先輩からのビデオを見せることで、「どうしてこのプロジェクトをするのか?」プロジェクトの意味や目的が明確になりますよ。
また計画表提出の際は学生さんの口から説明させて、計画通りに行かなくてもそれにどう対応するか、柔軟な考えが大切なことも伝えます。簡単なミーティングでも、教師がファシリエーターとなり、アドバイスをしてあげることで、スムーズに計画を始めることができます。
次回はプロジェクトのタイプについてお話ししたいと思います。